自転車がつくる未来 世界最先進地ヨーロッパより

❾欧州最大の自転車展示会「ユーロバイク」

「自転車こそが未来の乗り物だ」とアピール

ドイツの玄関口フランクフルトで

 2022年7月13〜17日、欧州最大の自転車展示会「ユーロバイク」がドイツで開催されました。一昨年までは、ドイツ南端近くにある小さな街、フリードリヒス・ハーフェンで開かれていたのですが、昨年から国際空港もあるドイツの玄関口、フランクフルトでの開催になって、行きやすくなりました。一般公開も1日だけだったのが、2日間になり、その一般公開日の16、17両日に見学に行ってきました。

「ユーロバイク」の試乗コースで自転車に乗る人々

展示の中心はE-Bike

 日本でも「サイクルモード」というスポーツ自転車の展示会が毎年東京と大阪で開催されていますが、「ユーロバイク」は、東京での展示会の5倍くらいの広さがありそうでした。今回のテーマは「Hello Future(未来よこんにちは)」。「自転車こそが未来の乗り物だ」とアピールしています。
 また、自転車好きの向けの「サイクルモード」と違って、一般向けの自転車が展示の中心です。一般向けと言っても欧州の自転車は日本の「ママチャリ」とは大きく違います。展示の中心は既にE-Bike(電動アシスト自転車)です。日本で一般的な電動アシスト自転車よりもスポーツ自転車に近く、アシスト制限も日本よりゆるく、スピードが出ます。

欧州で一般的なE-Bike

目立つカーゴバイク

 展示で目立ったのが、カーゴバイク(荷物運搬用自転車)です。欧州では、ガソリンなどの燃料費の高騰で、街中での荷物の運搬はトラックからカーゴバイクに変わりつつあります。家庭でも子どもを乗せたり、荷物を運んだり、時には大人も荷台に乗ったりと一般的に使われています。最近は電動アシストがほぼ標準装備となり、大きな荷物も無理なく運べます。
 残念ながら日本のメーカーは、世界的な自転車部品メーカーのシマノ以外ほとんど目立ちませんでした。日本の多くのメーカーは「ママチャリ」を中心に国内ばかりを向いて、ガラパゴス状態になっています。

「滋賀民報」2023年4月9日号より

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