サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり
ポートランドのネイバーフッド・グリーンウェイ
2025年1月18日
ネイバーフッド・グリーンウェイは、交通量が少なく低速で、人々が歩いたり自転車に乗ることを優先する道路です。安全な通学路の根幹を形成し、近隣の公園、学校、ビジネス地区を結んでいます。ポートランド市内には150km以上整備されており、シアトル、カナダのバークーバー等でも整備が進んでいます。ポートランド市内での整備場所の地図は、こちらで見ることができます。
ポートランド市公式サイトよりネイバーフッド・グリーンウェイ・マップ
その道を実際に自転車で走ってきました。
ネイバーフッド・グリーンウェイには、住宅街の中の道など、元々交通量の少ない道が利用されています。
まずは、市の中心部の道です。
道の真ん中に大きく自転車マークと進行方向が描かれています。クルマは一方通行ですが、それとは逆向きに自転車レーンが設けられているので、自転車は逆方向にも走れます。クルマと共用のレーンと自転車専用レーンで自転車マークのデザインを変えてあります。
交差点には、コンクリート製の花壇が置かれ、一方通行の逆方向にクルマが侵入できないように、また、クルマのスピードを落とさせるシケイン(狭窄)の役割も果たしています。
ここは、自転車レーンが双方向に設けられており、交差点の手前には、自転車がクルマの前で待てるように、バイクボックスもあります。
市内を通る高速道路をまたぐ歩行者・自転車専用の橋もありました。橋の上では、歩行者と自転車の位置も分離されています。
橋が終わったところの交差点には、自転車に一時停止を促す「STOP」の標識と、自転車レーンをまたぐ横断歩道。
ここは、交差点からネイバーフッド・グリーンウェイに入る場所ですが、クルマのスピードを落とさせるために交通島が設けられ、道が狭められています。
中心部からやや離れた住宅街のエリアにも行ってみました。
やはり道の中央に大きく自転車マークが描かれています。アメリカでは右側通行なので、自転車レーンは通常クルマのレーンの右側に設けられるのですが、なぜかここでは左側に設けられています。ただし一方通行なので支障はありません。
交差点手前では、自転車がどちらに行けるかの表示が路面に描かれ、自転車用の案内標識も立っています。
クルマの最高速度は20mile/h(約32km/h)と「ネイバーフッド・グリーンウェイ」の標識。
この交差点では、クルマは右折のみで直進はできませんが、自転車は直進できるようになっています。
このように、元々クルマの交通量が少ない道をうまく利用し、さらに自転車が安全に走れるように整備がされていることがわかります。
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