サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり

ドイツの玄関口、フランクフルトの自転車レーン

2025年9月21日

 フランクフルトは、世界最大級の国際空港を有するドイツの玄関口であり、国際金融の中心地でもあります。ドイツでは珍しく、中心部に高層ビルが建ち並ぶ街です。
 なお、旧東ドイツにも同名の都市があるため、区別して「フランクフルト・アム・マイン(=マイン川沿いのフランクフルト)」と呼ばれます。

 フランクフルトは自転車政策の先進都市でもあります。私はこれまでに4度訪れていますが、そのたびに自転車レーンが拡充され、自転車利用者が増えていることを実感します。

 次の写真は2017年に撮影したものです。車道を破線で区切って自転車レーンが設けられています。


 この道路は一方通行ですが、自転車は逆方向にも走行できるようレーンが整備されています。

 2022年に訪れた際には、自転車レーンがさらに増え、目立つようにえんじ色に塗られていました。
 次の写真では、自動車の駐車帯の外側に自転車レーンが設置されており、さらに駐車車両のドア開閉による妨害を避けるため、駐車帯と自転車レーンの間にスペースが確保されています。

 フランクフルトでは、白線と色分けだけで区切られた自転車レーンが多いのですが、この写真のように車道とブロックなどで物理的に分離されたタイプも徐々に増えつつあります。

 バス停のある場所では、自転車レーンは車道側を通るようになっています。

 次の写真に見られる、自転車レーンと車道の間に立っている鉄製の輪状のものは駐輪具です。自転車を立てかけ、U字ロックなどで固定します。自転車レーンと車道の間に設置されているのは珍しい例です。

 交差点では、自転車が信号待ちの際に自動車から視認されやすいよう、停止線が自動車より前に引かれています。

 大きな交差点では、自転車がどのように渡るべきか細かく案内されていました。

 

 信号待ちの際、自転車が自動車の前で待てるようにする「バイクボックス」も整備されています。写真では直進用と右折用(日本でいう左折)の場所が分かれていました。

 また、ある場所では直進する自転車と、左折して横断する自転車のレーンが分かれていました。

 右折レーン(ドイツでは右側通行のため、日本の左折にあたる)がある場合、直進自転車は自動車の直進レーンと右折レーンの間を走行します。この形はドイツ各地でよく見られます。

 バスと自転車が共用するレーンもありました。

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