サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり
2022年パリでツール・ド・フランスのゴールを観てきた
2025年11月30日
ツール・ド・フランス2022は、7月1日にデンマークのコペンハーゲンで開幕し、フランス各地を3週間かけてめぐったのち、7月24日にパリでフィナーレを迎えました。私は、この最終ステージを現地で観戦してきました。
最終ステージは毎年恒例のパリ市内での周回レースです。レース終盤は、凱旋門からシャンゼリゼ通り、コンコルド広場、チュイルリー庭園前を結ぶ約6.8kmの市街地サーキットを7〜8周した後、シャンゼリゼ通りでゴールとなります。パリの中心部を舞台にした華やかな最終決戦で、世界的にも象徴的なステージです。
レースに備えて、凱旋門周辺の道路はすべて交通規制が行われ、人も車も入れない状態になっていました。普段は観光客で溢れる場所が、自転車レースのために完全に封鎖される様子は、ツールならではの特別な雰囲気です。

この年は、デンマークでのグランデパール(開幕)に加え、デンマーク出身のヨナス・ヴィンゲゴー選手が総合優勝候補(そして実際に優勝)ということもあり、沿道には大勢のデンマークからの応援団が集まっていました。赤地に白い十字のデンマーク国旗が、シャンゼリゼ沿いの観客席のあちこちではためいていました。周辺は何万人もの観客で埋まり、スタート前から熱気に包まれていました。


さらに2022年は、ツール・ド・フランスの女性版となる「第1回ツール・ド・フランス・ファム」が開催された年でもあります。男子レース最終日の午前中に、同じパリ市内の周回コースを舞台として、女子8日間ステージレースの第1ステージがスタートし、こちらも大きな注目を集めていました。

選手たちがやって来る前には、毎年恒例のスポンサー企業による「キャラバン隊」がにぎやかな車両を連ねてパレード走行します。音楽や景品配布で観客を盛り上げ、レース直前の雰囲気を一層高めていました。


そして、いよいよ選手たちがシャンゼリゼ通りに突入してきました。観客席は大歓声に包まれ、レースのスピード感が一段と増します。石畳のシャンゼリゼ通りをプロ選手の集団が高速で駆け抜けると、「ゴーーッ」という地鳴りのような音が響き、迫力は画面で見るよりもはるかに強烈でした。


とはいえ、あまりにも人が多く、選手それぞれを見分けるのはなかなか困難でした。ゴール付近は特に混雑していて近寄ることができず、いつのまにかフィニッシュが終わり、観客が一斉に帰り始めていて、改めてツール最終日の人気ぶりを実感しました。
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