サイクリストが見た、世界の自転車まちづくり・地域づくり

とにかく自転車が多い。オランダ・アムステルダム

2026年1月3日

 世界で最も自転車保有率が高い国はオランダで、一人あたり1.25台を保有しています。人より自転車のほうが多く、交通分担率でも国全体で27%を占めています。
 首都アムステルダムの中心部では、交通の半分以上が自転車によって担われています。
 そのアムステルダムの様子を見ていきましょう。

 次の写真の中央に写っているのが、東京駅のモデルになったとも言われるアムステルダム中央駅です。そこからまっすぐ伸びる通りが街のメインストリート、ダムラック通りで、しばらく行くと王宮などもあり、観光客も非常に多い通りです。

 この通りは、端から広い歩道、自転車道、トラムの線路、一方通行一車線のみの車道、そして反対方向の自転車道、再び歩道という構成で、まさに歩行者・自転車・公共交通・クルマが平等に道を分け合っています。車道はクルマがやっと通れる程度の幅しかなく、速度もゆっくりです。人口約80万人の街の規模からすると、クルマの数は少なく感じます。
 ただしアムステルダムでは、身体に障害がある場合や大きな荷物がある場合など、クルマが必要な人もいるため、街の中心部への車両進入を全面的に禁止する政策は取っていません。その一方で、中心部に近づくほど一方通行が多く、駐車料金も高くなるため、結果的にクルマは使いにくくなっています。

 次の写真の通りは、端から歩道、自転車道、駐輪スペース、車道、再び駐輪スペース、自転車道、歩道と分けられています。道沿いにショッピングセンターがあり、駐輪する人が多いためでしょう。

 クルマ進入禁止の商店街もあります。歩道と自転車道のみで、朝の決まった時間帯に限り、商品の搬入のためにクルマの進入が許可されています。

 狭い通りでは、自転車も進入禁止となっている場所があります。

 アムステルダム中央駅は海岸の埋め立て地にあり、その裏手の海岸沿いには自転車道が通っています。非常に多くの自転車が、時速20kmほどと、自転車としてはかなりのスピードで次々と走ってきます。なお、ヨーロッパの多くの国では、原付バイク(モペッド)も自転車道を走行します。

 中央駅の裏からは、対岸へ渡るフェリーが出ています。フェリーは頻繁に発着しており、到着すると多くの自転車が一斉に走り出します。

 次の写真の道は、歩道と自転車道、トラムの線路のみで、車道はありません。緑に囲まれた、気持ちのよい道です。

 アムステルダムは運河が縦横無尽に走る街で、運河に架かる橋の中には、船が通れるよう跳ね橋になっているものも多くあります。橋が跳ね上がる際には遮断機が閉まり、多くの自転車が開くのを待っていました。

 アムステルダム名物のひとつである蚤の市でも、自転車や自転車部品を売る店が多く出店していました。

 次の写真の道では、路面や標識に「自転車通り クルマはゲスト」と書かれています。ここでは自転車が主役で、クルマは自転車を追い越したり、走行を妨げたりしてはいけません。

 自転車用信号も多くの交差点に設置されています。信号手前で停止した自転車から見やすい目の高さと、交差点手前の離れた位置からでも確認できる高い位置の2か所に信号が設けられています。この写真の信号では、青になるまでの残り時間も表示されています。クルマ用信号より少し早く青になる場合が多いものの、クルマ用・自転車用・歩行者用の信号が、どのような順序で切り替わるのかいくら見ても理解できないような複雑な制御が行われている交差点もあります。

 次の写真の交差点では、左折時(日本とは通行方向が左右逆のため、日本でいう右折に相当)に待機する場所が確保されており、走行方法が矢印で示されています。

 アムステルダム国立美術館の下を、自転車道が貫いています。自転車の街・アムステルダムを象徴する景色です。

 多くの人が、曲がる際にハンドサインを出していました。

 街の中心部近くにあるフォンデル公園では、多くの人がサイクリングを楽しんでいました。

 カーゴバイクで走る人も多く、大人が荷台に乗っている光景もよく見かけます。

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